テレビでお見受けする著者の言動から読んでみたいと思った本である。先を読むことに通じるのか想像力が豊かである。それは見知らぬ人への優しさにも通じている。
テレビでお見受けする著者の言動から読んでみたいと思った本である。先を読むことに通じるのか想像力が豊かである。それは見知らぬ人への優しさにも通じている。
定年後の過ごし方の指南書だと手に取ってみたが、それだけではなかった。「ただ生きる」とは奥が深い。
…生の最初に「ただ生きている」ということを肯定する考えがなければならない…(略)さらに生の途中か、あるいは終わりの方かは知らないが、「ただ生きていてくれればいい」という願いがありうることを認めるべきである。(p218)
著者は1894年から1897年にかけて調査の一環として4度にわたり朝鮮を旅行した英国夫人。朝鮮各地の紀行文のみならず、当時の風習、社会の様子が描かれている。李氏朝鮮の高宗、閔妃夫妻にも謁見できる一方、貧しい農民の生活にも目が向けていられてる。
…朝鮮じゅうのだれもが貧しさは自分の最良の防衛手段であり、自分とその家族の衣食住をまかなう以上のものを持てば、貪欲で腐敗した官僚に奪われてしまうことを知っているのである。(p433)
日本は日清戦争(1894〜1895年)を経てこの国に大きく関わろうとしていた時期で、日本に対しても第三者の立場で評している。また朝鮮の人々の日本人にへの思いも何度か登場する。
…人々は日本人に対してひとり残らず殺してしまいたいというほど激しい反感を示していたが、(略) 日本兵の品行のよさと兵站部に物質をおさめればきちんと支払いがあることについてはしぶしぶばがらも認めていた。(p441)
今もそれほど変わっていないのかもしれない。