もし一年前にこの本を読んだら、『基本再生産数』という言葉には馴染みがなく、軽く読み飛ばしていただろう。今では何の違和感もなくテレビから流れるこの言葉を。
空地に多くの棺を仮埋葬する場面は東日本大震災が思い浮かんだが、コロナが蔓延している南米のニュースでも映し出されていた。
主人公の行動(誠実さ)で離れ離れだった幼子と母が一つのベッドで(永遠の)眠りにつく場面が‥次のカットでは空っぽのベッド…一番切なかった。
「絶望に慣れることは絶望そのものよりさらに悪いのである」
「ペストと戦う唯一の方法は誠実さということです」